統合失調症 - Schizophrenia -


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統合失調症 - Schizophrenia -


人口の約1%弱の人が生涯でかかる、文化と親和性のある疾患
この「統合失調症」という疾患ほど、多くの偉大な精神科医が関わり、興味をもった疾患はないのではないでしょうか?まず、名前が何度か変わっています。新しいことがわかったり、良い治療薬ができたりして、偏見をなくそうというたびに、名前が変わっています。クレペリンという大先生は早発痴呆といい、ちょっと時代が経つとブロイラーという偉い先生が、精神分裂病といいました。今は、統合失調症ですね。これは、「気持ちが統合できない」「考えが統合できない」ということから、来ている病名と、考えるとわかりやすいとおもいます。先入観として、幻聴とか妄想があればこの病気と思っているひとがいるでしょうが、それは違います。他の病気でも、幻聴や妄想は出ますし、それらがあったらからといって、必ず病気とは限らないのです。
また、文化と親和性があるというのは、例えばですが、テレビのないところでは「テレビで自分の悪口を流している」なんて思いません。インターネットのなかった時代には、そういった病的な体験の中に、インターネットは登場しません。つまり、文化と密接なかかわりのある病気ということです。昔は日本で「キツネツキ」と呼ばれていたり、シャーマン的な役割だったり、ヨーロッパでは魔女狩りの対象になることもあったようで、本当に文化に密接しています。

遺伝なのか、環境なのか、仮説が多い
有名すぎる話としては、一卵性双生児が、ひとりはこの病気にかかり、ひとりはかからなかったという話です。一卵性双生児で40%の合致、二卵性双生児で15%の合致といわれています。つまり、遺伝的要素も完全にないとは言えないけれど、環境も大きく関わっているということです。
よく、自分のお子さんがこの病気になると、親御さんが「自分の育て方が悪かったのではないか」と自分を責められたり、お孫さんがこの病気になると「嫁の血筋が悪い」と言い出す祖父母の方がいらっしゃいますが、そういった、「犯人さがし」はいたずらに、本人や家族を傷つけるだけなので、おやめになることを強くお勧めします。
脳内の、どの物質が多いとか少ないとか、脳のどの部分が減っているとかいろんな研究がありますが、すべてを網羅している仮説はありません。全部部分的には正しく、違うところもある、という感じで、結論はきちんと出ていないのです。

偏見のもとになっているけれど
おそらく、精神科のなかで、一番偏見のもとになっているのが、この病気ではないでしょうか?でも、患者さんのほとんどは、本来は素直で、ピュアな方ばかりです。患者さんと医師関係がきちんと築かれると、一番やさしいのは、彼らではないかと思います。無防備なほどの好意を医師に向けてくれて、まぶしいくらいです。個人的な経験としては、医師が好きだといったものを、覚えていて、それに関する本をわざわざ持ってきてみせてくれたり、医師が風邪ひいたりすると本気で心配してくれたり、優しい方が多いです。優しくて、まっすぐで、もろいから、他の人よりストレスにさらされると弱いのかな、と私は解釈しています。

多くは10代後半~20代、だが、老年期の発症もある。
発症年齢については、高校の途中くらいのイメージが多いと思いますが、老年期にも発症します。昔は、人格を形成している途中の若い時期に発症すると予後が悪いといわれましたが、良い薬が沢山開発されて、必ずしもそうではないと思います。ただ、多感な時期ですし、親御さんも世間体などを考える方は、「精神科なんて」と受診しないでいることが少なくはないです。なんでも治療は早いに越したことはありません。治療されないで、我慢している時期が長いと、本人も非常につらいですし、やはり、予後にはするとおもいます。としをとってからの発症は、いままでの人生経験があるということもあり、予後はよいといわれています。

100人いれば100とおりの統合失調症がいるといわれています。
ただむりやり分類すれば、妄想型、緊張型、単純型、残遺型 とします。色んな国、いろんな人が、いろんな分類をしているので「これが正解」という分類はありません。それに、分類しても、二つの分類にまたがっているような場合も、よく診ます。
<妄想型>
統合失調症の一般の人のイメージは、これかな、と思います。その名の通りで、症状が妄想が主体のものです。でも、大体、妄想がいきなり生まれるわけではなく、前兆みたいなものがあって、だんだん、妄想を形作ります。なんとなく周りの景色が今までと違う、とか、においやおとが気になる、とか、そういったことから、発展していきます。幻聴もいきなり現れるのではなく、車の音や、換気扇の音なんかが気になることから、だんだん発展して自分の気持ちを代弁したり、自分を批判したりする声に聞こえ、何もしなくても聞こえてしまうようになります。
<緊張型>
体が固まってしまう方です。同じ姿勢でずっと立っていたり、座っていたり、ひどいときには、反応しなくなります。以前、診察させていただいた患者さんは、「ストレスがかかると体が固まりそうになる。最近は、そういう時は、薬を飲むけれど、昔はわからなかったので、そのまま反応できなくなってしまった」と言っていました。この言葉に集約されていると思います。
<単純型>
これと言って、妄想らしい妄想も幻聴もなく、緊張型でもない。でも、「考えが統合できない」なので「話していることがまとまらない」という感じでしょうか。それで、人から見ると突飛な行動や、エキセントリックすぎる行動をとります。ただ、考えが統合できなくて話がまとまらないのは、妄想型でも緊張型でもみられます。単純型の場合、妄想もないか目立たないので、ちょっと疑ってかからないと、わからないことがあります。また、意外とうつ病と間違われやすい印象です。実際、ずっと、うつ病として治療されている方をお見かけすることがあります。以来、うつ病といわれて治らない人がいたら、疑うようにしています。
<残遺型>
感情が平板化して、自発性が下がる状態です。これは、長らく統合失調症だった方がなるタイプです。精神病院で、長く入院されている方にお見かけします。

※その他:激しい病状のあとには、うつになります
統合失調症で、急性期(病気が非常に盛んな時)を、うまく治療で来たとしても、そのあと、患者さんはうつ状態になります。考えてみれば、急性期は、全速力でマラソンしているような精神状態ですから、それが落ち着いたら、すこし疲れて落ち込みますよね。私たちだって、飲み会で騒ぎすぎた後とか、かるくうつ状態になります(なりませんか?)から、それの規模が大きいバージョンだと思えばよいです。このとき、患者さんは、朝起きられなかったり、体が重くてごろごろしていたりします。でも、ここで「薬が効きすぎているから」とおもって減量すると、急性期に逆戻りする可能性があるので、「病み上がり」で疲れているんだなあ、と、気長に、やさしく、見守ってあげてください。だいたい、患者さんはもともと、真面目な人が多いですから、「いつまでもごろごろしていられない」とここで、自分の判断で薬をやめたりしかねないので、注意が必要です。風邪もなおりかけをこじらせやすいのと、おんなじです。

※今は外来治療が主流の時代
統合失調症の治療は、おそらく、鉄格子の精神病院のイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、良い薬が1960年あたりからどんどんでてきて、今は、外来治療が主流です。万が一、入院といっても、以前のように長くありません。だいたい、もう、鉄格子の病院はなくなりました。今、精神病院に残っている方は、あまり、薬が多くなかった時代にうまく治療ができなくて、こじらせてしまった方々、世間体を考えて座敷牢のようなところに入れられて治療が遅れた方、親族がもういなくて一人ぼっちになってしまった方々がほとんどです。彼らが、今の時代に生まれて、その病気になっていたら、結果は全く違ったのではないかと思います。


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